福祉業界は人手不足なのか?
初めに結論を言ってしまえばYESだ。
福祉業界で何が起きているのか、私が経験してきた目線で伝えたいと思う。
福祉業界はスタッフの入れ替わりが目まぐるしく行われていて、数年も経つと上司の数名を残してほとんどが職場から去っていった。
まあ、人は代わりに入っては来るのだが‥それでも足りないのだ。
目次
集まった人員でやれば良いんじゃないの?
他部署ではあるが、私の所属する法人も今年に入ってからすでに数名退職者が出ている。みんな半年程度の勤務歴だった。
みんな福祉分野の実務経験は浅く、転職を繰り返していたり、現場経験がないが福祉を教える教師をしていたりした人物もいた。
私から見たらその人たちは、知識はあっても、現場で有益な行動に繋げられなかったり、クライエントを責めたり、抱えてる問題を投げ出してしまう人だったりした。驚くことだがそういう人物は一定数いるものだと思っている。
私は、そのような人達を非専門職と思っている。
どんな難しいケースにも、せめて心だけでも専門家の志は忘れないでいたい。
なので、今回のテーマで正確に伝えるなら、非専門職よりも、実務経験を積んだプロフェッショナルの人材が不足しているっていうことなのだ。
専門職はなぜ辞めて、どこに行ってしまったのか?
素晴らしい専門職は実在する!が、そんな魅力溢れる専門職はどこに行ってしまったのか。私が会った専門職の人達の退職理由は様々だが、挙げてみるとこんな感じが多かった。
家庭の事情
・親族の介護
・結婚
・出産
・子どもの進学
など様々な理由がある。
福祉業界は男性が少なく、今の職場は女性8:男性2の割合だ。女性の30代〜40代は特に少なく、家庭の事情によるところは、女性が戻らざるを得ない状況になりやすいのではないかと思う。
給料が安い
奉仕の気持ちと現実で苦しむ人は多い。特にお給料面では、手取り15万以下なんてのはざらだと思う。仕事の質を上げればクライアントは助かるが、どんなに腕を上げても給料が安いんじゃ優秀な人材を引き止めるなんてできない。
年齢
私の職場は女性が多いが、働き始めた経緯は子どもが巣立ち、子育てが一段落ついた人が再度働き始めたケースが多い(今のところ独身の人はいない)。そうすると50代〜60代の割合が高くなり、年齢による影響から、60半ばで退職してしまう場合が大半である。
職場が介護の現場だった場合は3Kも大きな要因になってくる。
職場に魅力がなくなった
尊敬する上司や同僚、部下の存在はとても大きく、仕事を続ける上で大切なモチベーションだ。
ただ、上記でも述べたような理由から離職のペースが早いため、先輩から専門職としてのスキルを学ぶ機会も短くなったり、人間関係がリセットされてしまうことも魅力減につながっていると思う。
こう振り返ってみると、専門職でクライエントと関わるのが嫌な理由から離職する人は一人もいなかったと思う。離職する際も、福祉業界自体から離れてしまうケースが多いので、業界にとっては大きな打撃だと感じる。
質より量の懸念
専門職は欲しい!でも、いないなら経験がなくても誰か雇わないとやっていけない。当然経営者はそう考える。専門職しか駄目!なんてなったら人手不足で潰れてしまうだろう。
専門職はよく、育てればいいと言われるが、やはり人の中にある地盤、根幹のところが福祉とずれていては遅かれ早かれ辞めてしまうと思う。
こういってはなんだが、広く受けていると変わった人が入職してしまうこともある。
席は限られているのに、誰でも彼でも入れたりするのは本当に良くないのだ。が、経営維持のために、そうせざるを得ない状況の施設もたくさんある。
専門職の確保のためにも、
サービス残業は絶対なし!
勤務時間は他企業より短く!
などなど、お給料面以外でも魅力的と思える待遇面の改善を着々としていきたいと思う。