コケ蔵
こんにちは、コケ蔵です。20代で施設長になった経歴があります。
私の経歴を聞くと「コケ蔵さんは人当たりいいですからね〜!」とか言っていただけますが、ぶっちゃけるとそんなことはございません。
もともとは人と関わると冷や汗が出て伝えることを諦めたり、目が泳いで挙動がおかしくなったり「この人大丈夫かな?」と思われるような人物でした。
介護現場にいた頃は困ることが少なかったのですが、歳を重ねると会議に出席する機会が増えたり、施設外の人とのやりとりが増えたりします。
話し合いの場では何度も恥ずかしく、悔しい思いをしてきました。
そんなコミュ障な私が、なぜ施設長を何年も続けてこれたのか?
今回は後天的に身につけることができる、コミュ障をカバーするスキルについてまとめてみました。
コケ蔵
目次
コミュ障をカバーするスキルが必要な理由
協調性や発信する力、集団の統率力など人と上手に関われる力があるかは評価の1つになります。
しかも人と関わる力は、年齢に比例して上手になると思われがちなのです。
面接官を担当していましたが、驚くほど周りの面接官からも話が聞かれていました。
10代、20代新卒、または働き出して間もない頃の新人さんは、多少関わり方が苦手でも「これから育っていくし、今は仕方ないよね。」で済みます。
ですが30代、40代のある程度経験年数がある人は「こんなこともできないのか」なんて言われるようになってくるようです(本人の耳には入りませんが、絶対人事会議で話がでてきます)
同じ苦手でも、新人の頃よりも圧倒的に不利になりやすいんですね。
私も人事会議に出るまで知らなかったのですが、人と関わる力は予想以上に大きな評価項目になります。
それだけ人間関係の問題によるゴタゴタにみんな頭を痛めているということですね。
中には「人と違くても構わない。」「出世なんて興味がないし周りに合わせる必要もない。」と周囲に豪語しているスタッフもいました。それはそれで全然ありです。
ですが、人と関わりを断ったスタッフはどの施設からも必要とされず美味しいところを新人さんにどんどん先に取られてしまうことでしょう(本人は知る由もありません)
コケ蔵
コミュ障をカバーする力を磨いていけるかが、より重要となってくるわけですね。
コミュ障の私を助けた必須スキル
一人で多量の仕事をこなすことには限界があります。
以下の項目は後天的に身につけたスキルで、今の私に欠かすことができません。
手助けを求めるスキル
「迷惑をかけるかも」「嫌われたらどうしよう」「上手に説明できないかも」
そんなことが頭の中をグルグルと巡っていつの間にか大量の時間をロスしてしまいます。
仕事が手に負えない状況になってからでは誰に助けを求めても無傷ではすみません。
コケ蔵
私の場合は、困ったときに話しかけるタイミングがわからず苦戦していました。
「明日話そう…。」なんて先延ばしにするうちに事態が悪化するなんてことも(汗)
言うのは簡単ですが、間違いなく口頭での相談はコミュ障にとってレベルが高いです。
私の場合は、当時導入間もないチャット機能をフル活用することである程度解決できたと思います。
相談相手が同じ空間にいてもチャット機能で送信していました(笑)
メモを残しておくのもいいのですが、めんどくさくなって先延ばししてしまうんですよね。
コケ蔵
仕事を振るスキル
仕事を振れない人はプライベートの時間を犠牲にすることになります。
介護現場にいる時は、自分一人いればほとんどの仕事を回せる自信がありました。
そんなうぬぼれが一時期あったのですが、施設長になるとあまりの仕事量の多さに初めて「無理だこれ…」と思ったんですね。
でも、今まで仕事を振ってきた経験がないのでどうしたら良いのかわからないんです。
朝も早く、夜も遅くまで仕事、仕事、仕事の日々でついに体を壊しました。
そこからやっと「人に任せなきゃダメなんだなあ」と自覚しましたが、部下といってもいきなり仕事を振れたら苦労はありません。
私の場合、まずは部下の仕事を1つもらって、代わりに1つ仕事を振るようにしてみました。
仕事が楽になることを実感することが大切ですので、初めの一歩としてはこれで十分です。
コケ蔵
褒めるスキル
褒めるって難しいですよね。「褒めるなんて恥ずかしいし、言葉にしなくても伝わるんじゃないの?」なんて思っていました。
ですが断言します。言葉にしない限り、全く1%も伝わりません。
そもそも褒めるメリットは、褒めた相手のモチベーションを上げることもありますが、私にとっては味方作りの意味合いも大きいです。
仲間に好かれるか嫌われるなら圧倒的に好かれた方がメリットが多いでしょう。
少しでも「お!いい動きしてるな!」と思うスタッフには、目に見える行動を端的に褒めましょう。
ポイントは「◯◯さんがあの時こうしてくれて〜」と名前を入れることです。
コケ蔵
怒るスキル(ふり)
なんでも言うことを聞いたり、反抗してこない人はなめられます。
なめられてしまっては、仕事の質も落ちますし、周囲に示しがつきません。
周囲に示しがつかないのは、コントロールに影響が出るので致命的です。
なので、相手や周囲に対するアピールとして怒ったように見せるスキルは欠かせません。
私は年に数回は意図的に怒っています。
怒ったふりのポイントは以下の通りです。
・ヘラヘラしない
・語気は強く、声は荒げない
・心は冷静に演じる気持ちを持つ
・心臓がドキドキしても気にしない
初めて怒った振りをした相手は、一回りも年齢が上の人で心臓のドキドキがもの凄かったのを覚えています。
心臓の音を気にしだすと声が震えたりしたので、気にしないよう怒ったふりに徹して抑えていました。
セリフも事前に覚えて怒ったりしてましたね(笑)
怒ったフリをしている自分の動画を撮って練習してみるのもいいと思います。
むやみに謝らないスキル
「すみません」「ごめんなさい」が口癖の人近くにいませんか?
人と長い時間関わりたくなくて悪くもないのに「すみません」と言い話を切ってしまう人がいますが、私も口癖で使っていたときがあります。
もし口癖になっている人は、グッと堪えて本当に謝る必要があることなのか一瞬でもいいので頭に留めてみることから始めてみてください。
悪くもないのに口癖で謝ってしまうと、無意識に自分の評価を自分で下げることになってしまいます。
コケ蔵
【声量が小さいのはなぜ?】声が小さい責任者が意識したたった一つのこと
一番傷ついてきたこと
コミュ障の私が一番傷ついた出来事、それは人の裏の顔を知ったときです。
この人は信頼がおける!と思えても、人には裏の顔があるものです。
「そんなの当然じゃん!」
と言える人はかなりコミュ力が高めですね!
コミュ障の私は、極力人と波風立てないように一人で判断したり、一人で過ごせる環境を作って生きてきました。
人間関係で傷つくことがそもそもなかったんで耐性0です。
そんな私がいきなり施設長になっても、スキルが何もない状態で懸命に頑張ったところで、人間関係でうまくいくはずがありませんでした。
表面上は、親しげに見えた仲間からも裏では陰口を言い振らされていた時は傷つきましたね。
今では陰口は言われるものとして受け入れていますが、1年に1回は傷つく場面があります。
人は時に絶対信じなければいけませんが、時に絶対信じてはいけないものです。
【30代マネージャーになって求められた】|「なんとかなる」でいられない理由
仮面作りに没頭しよう
私はコミュ障を隠す仮面を持っています。
もちろん演じるという意味でです。
以前上司からこの仮面の意味を聞かされたことがありましたが、感覚が全くわかりませんでした。
「私は人に裏表なく接したいんだ!」なんて謎のこだわりが強かったです。
ですが今なら言えます。
コミュ障にこそ仮面が必要です。
なぜなら仮面作り程、相手に気を配るスキルを向上させるものはなかったからです。
仮面は、上司に見せる仮面、部下に見せる仮面、クライエントに見せる仮面などコツコツと作ってきました。
仮面を作る流れは以下の2つです。
①相手の情報を収集して仮面の型を決める
②被った仮面はトライアンドエラーで修正していく
相手の話に答えたり、尋ねたりすると必ず反応があるので、これをひたすら丁寧に拾い続けました。
反応を見て「会話の間は広い方がいいな」とか「この話題のときは笑顔多めにしよう」など、相手のちょっとした仕草で対応を変えて、仮面を作っていく感じです。
仮面を作ろうと意識するだけでも、内に向いた意識を外に向けることができるようになります。
コケ蔵
チャンスを掴め
今回は私が後天的に身につけてきた必須スキルについて解説しました。
私自身、今まで目の前に新しい機会がぶら下がってきても、人とコミュニケーションが必要とわかれば敬遠していました。
ですが、様々なスキルや意識を持つだけで、再びチャンスがきたときには「掴んでみようかな…。」と手を伸ばすことができるようになったと思います。
チャンスかどうかは掴んでみないとわかりませんが、そもそも掴まなければ「当たり」には辿り着けませんね。
コケ蔵