介護と言えばよく聞くのが
「汚い(Kitanai)」「きつい(Kitui)」「危険(Kiken)」
これらの頭文字のKをとった3Kなのだろう。
現場から離れた最近では聞かなくなってきたような気がするが、働いていた頃は介護の仕事をしていると友人に言うと「3Kか!」とよく言われたものだ。
言われはするが、介護を知らない人からなので実際はどんな業務かはわかってないのがほとんど。
特に私がいた身体障がい者の入所施設は家族の面会も少なく、閉鎖的だった。
そういうところ施設は社会と切り離された別世界のようなところ。
それぞれどんなことが3Kに当てはまる業務だったか振り返ってみたい。
目次
汚い(Kitanai)
おむつ交換とか排泄系を指すことが多い。
働き始めてからは、個人的に生理現象なんだから汚いとは思わなくなった。
私たちだってトイレに行って大なり小なり普段からしているし。
介助を受ける人は、それができないから「手伝うよー」という感じに最終的に落ち着いたと思う。
散らかったご飯を片付けたり、歯磨きしたり、汚れてしまった物を洗濯するなどもある。
汚い(Kitanai)は、3Kの中で断トツで慣れやすく、乗り越えやすい。
きつい(Kitui)
なんと言ってもきつい肉体労働TOP3あげてみた。
これらは本当にやりたくなかった‥。
1位 真夏の入浴
想像してほしい。
気温35度とかの真夏に、大の大人(多くの人は体が動かない)50人近くを
蒸れ蒸れの締め切った空間で
スタッフ3人でお風呂に入れ続ける‥。
午前8時から午後17時くらいまでひたすら風呂尽くし。
まさに終わらない悪夢‥。きつすぎ!!!
2位 避難訓練
なぜか避難訓練は夜勤想定がほとんどだった。マジでどういうことだったんだと今書いていて思う。昼想定もやれよと。
夜勤想定はスタッフ3人のため、50人を走り回りながらひたすら車椅子に移乗!!移乗!!たまに落下!!
そりゃ事故も起こるわ!!
看護師は、ステーションでお茶飲み談笑!!
ヒエラルキー最下層を味わった(悔)
これらをきっかけに介護と看護の間に亀裂が入り、溝は深まっていくばかり。
連携する気あるのか?
3位 コール対応
入所施設の職員は、大抵PHSを持って対応している。
居室のボタンを押すとPHSにコールが入るが、それらが一日中やむことはない。
コールがなると施設の端から端まで行ったり来たり。
1日中駆け足状態。
休憩は歩いてとるが常。
9時間勤務(休憩あり)の歩数は、平均約19,000歩程。
あと、入職して半年は寝ててもPHSの音が聞こえる幻聴がとまらなかった。
危険(Kiken)
感染症リスク
C型、B型肝炎とかの人は結構いた。これらの感染症リスクは正しく対応すればかなり軽減できるはず。
だが私がいたところの介護士って本当にヒエラルキーの下層で何にも守られていなかった。
介護士は看護師の手伝いをすることも多いのに、看護師はワクチン接種してて、介護はどうでもいいような扱いを受けていた(当然職場によると思うが)
感染リスクを繰り返し訴えて、介護側もワクチンを打つことになったがそれまで対策は何もなし。
驚くほど誰も守ってくれることに関心がないのだと新人ながらに思った‥。
特に見えない感染症に関しては、かかってしまってでは遅いと思った。
きちんと声に出して訴えていく必要がある。
それに答えられない施設なら、職場を変えたほうがいい。
キレる入所者
これは本当に障がいによるところもあるので一概に言えないが。
とにかく入所者から暴力、暴言を浴びることはかな〜りの頻度で発生する。
周りのスタッフは、電動車椅子(100kg近いのよ!)でかなりのスピードでわざと轢かれそうになったり、人権を傷つけられるような暴言を言われた人も半分近くいた。
入所者のしもべになってしまうと精神を病む。
そう言った場合は必ず上司に相談。利用者にはキレられても対等の立場のことを上司も含め伝えていく必要がある(絶対手を出しちゃだめよ!)
それでも解決出来ないなら、精神を病む前に辞めてしまいましょう。
あなたに過ごしやすい職場は他に絶対ある。
最後に
働く前は自分なんかに3Kの介護ができるのか??
なんて必要以上に心配に思っていたが、体は適応するので大部分は問題なかった。
それに、3K以上の楽しみがあるのも介護の現場だったと思う。
中途障害で出かける事が難しかった人を外に連れてって笑顔にしたり、
大晦日に寿司を注文して一緒に食べたり、
バーベキューを企画したり、
仕事場探しをしたり、
挙げればキリがないくらい楽しい事があった。
もし介護の世界に少しでも興味がある人がいたら、ぜひそんな世界を覗いて行ってもらいたい。
良い意味で3K以上の世界が見れると思う。