児童福祉の人
こけマネ
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児童福祉の人
こんにちは、こけマネです。
皆さんは「支援」と「配慮」の違いに悩んだことはありませんか?
私は児童福祉分野で数年働いてきましたが、いわゆるパステルゾーンの児童と関わる中で「支援」と「配慮」について悩むことが多かったです。
こけマネ
なんて初めの頃は思っていましたし、周囲のスタッフでも支援と配慮の違いを明確に分けている人はいませんでした。
今回のブログでは、私が現場経験の目線から感じた「支援」と「配慮」についてまとめてみました。
パステルゾーンの子どもたちと関わっていると、ここは支援がほしい、ここは配慮がほしい部分が浮き出てきます。
支援と配慮の違いをおさえておくと、将来を見据えたかかわり方や関係機関との連携でメリットが出てくるでしょう。
福祉に燃える人
なんて考えている支援者に出会う子どもたちはかわいそうだと思ってます。
大事なのは違いが何かを考え続けることかと。
それだけで間違いなく助かる人は増えるでしょう。
ぜひ聞いていってくださいね。
主に小学生、中学生で通常学級に在籍するパステルゾーンの児童を対象に関わってきた現場目線でお話ししていきます
目次
支援と配慮の違いってなに?
数年前から通常学級に在籍しながら、困り感を抱えた児童が増えてきたように感じています。
というか昔よりも見つかりやすくなっただけかもしれませんね。
例えば、
提出物や範囲をすぐに忘れてしまう
勉強はある程度できるけど、クラスメイトとかかわることが難しい
先生からの指示を聞いても、何を言っているのか理解することが難しい
毎日の大半を学習時間にあてているけど、学習についていくことが難しい
などなどいっぱいの困り事を聞いてきました。
いわゆるパステルゾーンの子どもたちです。以前はグレーゾーンなんて言われていました。
パステルゾーンの子どもたちが通常学級でどこまで手伝ってもらえるのか保護者も支援者も悩むところですよね。
学校と連携をとるときは「支援」と「配慮」の違いを押さえているかがポイントだと思っています。
配慮をもらうにしても、学習障害や自閉症スペクトラムなど診断名がついていたり、配慮を必要とする根拠がないと厳しかったりします。医療機関につながっておくことも大切です。ここからは診断名がついた例えで話しています。
学校での支援ってなんだろ?
以前「支援」と「指導」の違いについてお話ししました。
支援寄りの考えとして、小さな一歩を踏み出せるよう意思を尊重して寄り添うことをお話ししましたね。
これは福祉分野での話です。
学校は教育分野なので、通常学級にいるパステルゾーンの子どもたちが先生から支援をもらえるかというと必ずしもOKはもらえないでしょう。
今まで学校とケース会議をしてきましたが、先生は共通してめちゃめちゃお忙しいです。
- 何十人もの児童を担当していて、一人に手厚く接することが難しい
- 中学校では教科担任制でそれぞれの先生の考えがある
- 授業以外の仕事もこなして、めちゃめちゃ忙しい
その先生に、
「黒板の板書は写真を撮って渡してあげてください」
「配布プリント全てにルビを入れてください」
「クラスメイトと関わるのが苦手なので仲介してあげてください」
(※あくまで例です)
などあれやこれやと支援を頼むのは厳しい要求だなと思います。
学校の体制にもよりますが、そもそも支援を受けれるのは、やはり支援学級なのでしょう。
ちなみに私が住む地域では、中学校から通常学級、特別支援学級との交流がピタリと途絶えてしまうようです。通常学級、支援学級のいいとこ取りができるのが理想なのですが、どちらか一方を選ぶしか選択肢がない地域もあるようです。
学校での配慮ってなんだろ?
通常学級で配慮は支援よりももらいやすいでしょう。
理由はちょっとした先生からの手伝いであれば済むことが多いからだと思います。
たとえば、例であげたことも児童一人にしてあげるには先生の負担も大きいです。
ですがこうなると配慮の域に入るかもしれません。
「黒板の板書を写真を撮って渡してあげてください」
→板書を消す前に少しだけ板書を写す時間をとってほしい。
「配布プリント全てにルビを入れてください」
→テストの時だけでもルビを入れてほしい。
「クラスメイトと関わるのが苦手なので間に入ってあげてください」
→集団活動の時に気にかけてあげてほしい。
(※あくまで例です)
具体的には先生によってオッケーな部分が違うので、擦り合わせをする場を作るだけでも充分メリットがあると思っています。
というわけで通常学級に在籍していて支援をもらえない可能性があるとなれば、どこまで配慮をもらえるかを学校と話し合って決めるのが大切ですね。
ただ校長先生が変わると学校の体制自体が変わることがあるので、前の年と同じ配慮をしてもらえるか確認をとっておいたほうが無難だと思います。
支援と配慮の違い:区別することのメリットは?
支援と配慮を区別することのメリットは、目の前の子どもたちに何を優先してかかわるべきか判断できるようになることだと思っています。
なぜなら「支援」は福祉分野、「配慮」は教育分野でとか区別してフォローできたら、子どもたちがより助かりやすくなると思うからです。
たとえばクラスメイトと毎回トラブルを起こしてしまう児童の背景にはいろいろな原因があります。
対応していると支援を必要とするケースも多いです。
コミュニケーションスキルに課題があれば、まずは一対一で他者とのかかわり方を学ぶ支援
感情が不安定であれば、じっくりと話を聞いて気持ちを安定させる支援
これらの時間を学校の先生がとれるでしょうか?
学校の先生の配慮ではカバーしきれない部分を支援者がフォローする。
そして配慮の範囲で過ごせるようにして、学校に送り出してあげる。
要するに支援と配慮を区別することで「このケースは支援が必要だから福祉で」「このケースは配慮でできるから学校で」と役割がわかりやすくなります。
福祉と教育が連携するなら役割分担は欠かせませんよね。
こけマネ
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支援と配慮の違い:自立に影響あるの?
支援と配慮はいつまでも続くと思っている人は意外と多かったりします。
ですが私はいつまでもサポートする考えは持たない方がいいと思っています。
なぜなら子どもたちは支援や配慮を得ることで、スキルを身につけ問題を乗り越えていくケースが多かったからです。
こけマネ
問題を自らクリアできるようになったら支援も配慮も積極的に抜いてあげるほうがいいでしょう。
いつまでも「この子は支え続けてあげなきゃ」なんて考えてると、自覚しないまま子どもたちの可能性を狭めてしまっていることがあります。…恐ろしいですよね。
もちろん状態によって支援、配慮を受け続けながらの社会的自立も当然ありです。
また適した支援と配慮を受けてきた子は自立しやすい印象があります。
それはつまり成功体験を積みやすいからでしょう。
支援と配慮を受け続けていると、
「自分はこの手順だと理解できるんだ」
「周りに少しだけ協力してもらえれば乗り越えられるんだ」
なんて腑に落ちた経験を積んでいる子は、自分自身へ影響を与える環境をコントロールする術を考えられるようになるからだと思います。
体験していないことはわからないですからね。
自立につながる成功体験を十分に積むためにも、支援と配慮の違いは押さえておかなければいけないのかなと思います。
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まとめ
今回は主に通常学級にいるパステルゾーンの子どもたちに関わるときの、支援と配慮の違いについて触れてみました。
まとめると以下の通りです。
- 支援、配慮が必要なら診断があるかが左右しやすい
- 通常学級で配慮はお願いできるが、支援は難しい
- 配慮の程度は学校によって異なるので擦り合わせの場が必要
- 支援(福祉)と配慮(学校)それぞれの役割がある
支援と配慮を区別することのメリットは以下の通りです。
優先してサポートするべきことが分かる
福祉と教育の連携がスムーズになりやすい
自立への影響は以下の通りです。
適した支援と配慮があることで成功体験を積み重ねやすい
取り巻く環境をコントロールできる可能性がある
以上となります。
支援が必要な部分を配慮で解決できるレベルにしてあげる。それも支援者としての腕の見せ所ですね。
こけマネ
今回はパステルゾーンの子たちと関係がある範囲で支援と配慮の一面について触れましたが、機会があれば違うケースでも話をしていければと思います。
支援と配慮は永遠の悩みの種です。少しずつ自分なりの答えを見つけていきましょう。
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